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自然環境調査室だよりvol. 3「雑木林」Written by Satoshi Ohori
所沢キャンパス周辺の林は、コナラ、エゴノキ、アカシデなどの落葉広葉樹林です。人里近くの落葉広葉樹林は、人手の加わっていない原生林ではありません。里山の人々の生活と深く関わって、二次的にできた林です。 植物の分布は、気温や降水量、土壌条件などによって決まっています。南関東平野部では、人間の影響がなければシイやカシなどの常緑樹林になると考えられています。しかし、林は縄文時代から焼畑農耕などの影響を繰り返し受け、人為的な撹乱に強い雑木で構成される落葉樹の雑木林ができ上がりました。 雑木林は、里山の人々の生活の糧でした。肥料や燃料を得るために、落葉かきや、下刈り、伐採が行なわれました。落葉や下草は、刈敷や堆肥として畑や水田に利用されました。伐採された幹や枝は、薪炭材やシイタケ栽培の原木や生活資材になりました。 雑木林は日常生活に欠かせないものであり、重要な現金収入の手段でもありました。里山の人々は尊敬の念を込めて、雑木林を「ヤマ」と呼びました。桃太郎のおじいさんは「ヤマ」へ柴刈りに行きます。「ヤマ」とは、雑木林のことなのです。 里山の生活と深く結びついてきた雑木林も、戦後の生活形態の変化に伴い放置されました。不用となった雑木林は、宅地に変わりました。しかし、残された雑木林は生物の「生活」の場、人々の「心の安らぎ」の場として新たな価値を持ちました。四季の変化に富み、人と共存してきた雑木林。私たちは、身近な自然を守らなければなりません。 | |